「農業とアートのコラボ」という考え [新しい農業]

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先日、私の友人で農業関連の出版物の挿絵を手掛けているイラストレーターさんが言いました。「これからは農業とアートのコラボが大事になる」と。その発想は日頃の私には予想もしないことだったのですが、実は、古民家コロットではすでにその傾向がいっぱい見えるようになっていました。それはもしや、古の、実に素朴な生活がうかがえる古民家が醸し出す雰囲気にあったのかもしれません。

「日中は自然と農業、農作物に関わるような、そんなカルチャー教室ができればいいなと思ってます」と峯岸オーナーが話すように、このところのコロットでは、さまざまな文化活動が行われるようになっています。たとえば、「映画会」や子供たちへの「読み聞かせ」の時間、あるいは、「ヨガ教室」もあるし、そのうち、「手作り和紙を楽しむ」やら、あるいは、もしや、温かい「クレヨン画ギャラリー」もできるかも。そう云えば、地元で古くからの付き合いがある一人の男性は、手作りの木製おもちゃを持ってきてくれました。もしや、「木工教室」だって、できるかも。

この地を見学した若い人たち、なぜか、ここでご自分が信ずるところの活動がやりたくなるみたい。というのも、畳敷き30畳を超える広々とした座敷は何をするのも自由なのです。南側の広い縁側では子供たちが何やら工作をしているときもあるし、掘りごたつの周りには、お茶やお菓子を囲んで親たちが集う。あるときには、畳の上で寝そべってのヨガ。総勢10名以上が実にのびのびと体を伸ばす空間になります。これってね、まずは、若い人にはたまらない魅力?でも、もちろん、日頃は貸し農園で畑仕事をした人達の休憩所にもなるんです。まるでこの古民家が自分の家であるかのような気軽さで。

手作りのおもちゃを廊下の壁に3つもふら下げてくれたのは、すでにリタイアされて、ご自分の時間を市民活動や畑仕事、さらには世界各地への登山などを敢行もし、その合間に様々な手作り品を手掛けるつわものですが、彼にとってはこの古民家は昔を偲ぶ懐かしいものとなり、若い人たちには、もしや初めて見る癒しの空間となっているのでしょうか?農業すなわち自然とアートのコラボは、こうして、古民家でも様々な形で私たちを楽しませてくれています。この地から農業、自然を愛する人がどんどん増えているのを実感します。


各種メディアへの登場 [新しい農業]

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 先日のテレビ東京での「日曜特番」以来、「古民家コロット」は、次々と各種メディアからの掲載依頼が相次ぎました。それは、旅行雑誌であったり、地元の家庭新聞であったり、あるいは「埼玉テレビ」の、一日がかりのロケがあったり。さらにまたまた、テレビ東京がロケにも着たと聞きました。だがまぁ、一番嬉しかったのは、当所沢市役所発刊の「広報ところざわ8月号」ではないでしょうか?

昨日の午後、野菜屋コロットにいた私たちのところへ、顔見知りのお客さんがおいでになっては、皆が教えてくれたのです。「今ですね、見てきましたよ。峯岸さんですよね、写真も載っていたから」と。最近、あまりにもいろいろのコンタクトが多いこのオーナーさん、市役所広報課からの依頼までは教えてくれていませんでした。「ああ、8月号に載ったのですね」と、ご本人さん、いとも簡単に。その記事タイトル『はつらつ野老(ところ)っ子』というもの。大丈夫、若い峯岸さんはいつもはつらつだよね。

このようにさまざまなメディアからコンタクトが来るようになったのは、そう、2か月ほど前から峯岸さんがやっていたプレスリリースという作業でした。さすが、会社経営をしようと考える若い人は、目の付けどころが違います。その甲斐あって、地元新聞には3社から。大手新聞社の地方版には多分2回も。「いやぁ、しつこいほどにあちこちコンタクトしていたんですよ」と、その顔も晴れやかです。しかもね、その一つが私も以前農業関連のライティングをしていたっけと懐かしjく思い出す新聞社だったわ。

 思えば、一人の若者が自分で企業を起こしてまだ半年。それ以来、あちこちへの気遣いと努力を惜しまないからこそ、今があるのだと私は思う。その峯岸社長の言葉をお伝えしましょう。「いや、自分が今こうして皆さんに支えられているのは、その昔祖父母の時代から続いているのだと思います。祖父母を慕ってきてくれる近所の方々がいてくれたり、若いからこそと支えてくれる支援団体の方々がおられる。それを思い、感謝の気持ちだけは忘れてはならないと思うのです」と。このお人柄が峯岸社長の宝物かもしれませんよ・・・なんて、ただのお節介ばあさんもうれしい話でありました。


広がりを見せる「貸し農園付き古民家コロット」 [新しい農業]

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 早や、野菜屋コロットが開店して2ヶ月半。開店の日が3月11日なので、忘れることができない日になっています・・って、そう、あの大震災の日からですもの。それにしても、この間に「野菜屋コロット」http://www.corot.biz/のオーナー、峯岸さんの活動範囲がものすごく広がりました。今日は、1年前まで大した支援もできない私たちと一緒に、支援農家さんの一つ、関谷農園http://sekiyanouen.jimdo.com/で農ボラをしてくれていた仲間が無事出産を終えて、3カ月の赤ちゃんを抱っこしてお店に登場。私ったら抱きしめたいほどに嬉しかったのを機会に、このホームページも更新せねばと思った次第。お詫びかたがた、この2ヶ月のコロットの活動をかいつまみましょう。

 日頃の私たちの支援活動と言えば、当初その一番は古民家の農園を借りてくれているみなさんへの対応です。たとえば、平成22年には「キッズファーム」、「大豆プロジェクト」などのみなさんが古民家で農作業の合間に休憩を取り、そこで手作りのお昼を作ったり、支援団体の私たちがお昼を提供したり。あるいは、関谷農園での「ジャガイモ掘り」などと一緒に、関谷農園の屋敷林の整備をしたり、あるいは、古民家コロットで竹林の整備をしたり。それにもちろん、野菜屋コロットも固定客が増えつつあって、焦らずじっくり続けましょうって、行ける人が何かしらのお手伝いを。

これだけでも結構いそがしかったのに、実は23年に入って、コロットのオーナーさんの覚悟がさらに強固になったからでしょうか?その評判がどんどん広がって、紹介が紹介を重ねるかのように、貸農園の借主も増え続け、さらに、古民家利用も最初は私たち地元の各種の活動団体から注目を浴びるだけのような感じだったもの。だからね、私たち「所沢の自然と農業」サークルが、「あそこで忘年会をしよう」とか、峯岸さんとの相談会は古民家で・・など、誰もが古民家利用を心がけていたのです。そして、仲間から教えてもらったピザ釜で、おいしいピザを楽しんだこともあった次第。

ですが、次第に大きな発展がみられるようになったわけ。その第1には、「貸し農園付き古民家」が、先日埼玉県で初めての「民宿古民家」に認定されました。これによってさまざま分野でこの古民家を宣伝することもできるのです。さらに、先週のテレビ東京での「民宿古民家」は東京から一番近い古民家として、なんと立派な峯岸さんが放映されました。それ以来、問い合わせが続く現在ですとか。その他、映画の上映会、子どもたちへの読み聞かせ、竹林でのイベント、留学生を相手にしてのピザ焼きパーティなど、さまざまな企画が申し込まれているのです。あら?もしや、何か抜けているかもと思うほどに、たくさんのイベント予定にオーナーさんも大変そう。でね、昨年も赤字ではないそうな。だから、五右衛門風呂の釜を取り合えたり、水道の配管も、あるいは、引き戸、床板も直すなどなど、資金面でも少しは余裕が出始めたかしら?支援団体としても、今後の活躍がとても楽しみ。これでこそ、やりがいもあるというものですね。


お茶の席に試食のレシピ [新しい農業]

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お店のオープン2週間ほど前に、峯岸さんからの依頼がありました。それは、店で売る野菜のレシピ集を作りたいので、お願いしたいと。彼が自分から具体的な何かを頼むのは珍しいことで、「こればっかりは、自分ではできないから」と言われた、連絡係の私は、それを持ち寄ってメンバーに話を持ち出した。だがあのとき、定例会の終わり時間が迫っていて、何も決まらず、意見も特に出なかったのが、少し残念だった私、これは自発的に、グループ名を出さずにやっておきたいと。

そう思いながら、お店の様子を見て、3回目、やっと、その形を決めました。前述のように、このコミュニティはかなり広く、机、いすが余っているのを使って、自治会の女性が自らお茶の支度をしてくれます。野菜を買った後のお客さんが集まって、あるいは、自治会の人、管理組合の人、さらには、私たちの知り合いの他の倶楽部の人なども、この場で一休みが慣例になったみたい。最近では、ほかの趣味をこの場で広げる女性たちもいる。このお茶飲みが一つの憩いの場のようです。

そこで、私は、この席でちょっとつまめる野菜のレシピを、毎回は無理でも続けてみようときめました。最初は、「金美ニンジン」という、黄色いニンジンの甘さを堪能してもらおう。これは、だからね、生のままのスティックで、塩コショウなどでつまんでもらう。これを差し出す、私のずぶとさときたらねぇ、金美ニンジンが可愛くさえなるほど、大好きになったんだもの、当然かな?次は、普通のニンジンで、ニンジンジャムを試食のネタに。ああ、それには、クラッカーでも持ち込んで、味見をしていただければと思います。やっと峯岸社長の希望をこんな形で決めました。これをね、集め続けるお客様がおいでになったとしたら?最高だけど・・。


募金の喜び [新しい農業]

 

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よりによって、あの東北大震災の日、開店した「野菜屋コロット」なのですが、2回目の時、開店時間を待ち切れずにいたお客さんがおっしゃいました。「なんで、募金箱を作らないのですか」って。えええ?実はまだ、その気持ちの余裕がないほどに、第2回目は第2回目として、大量の仕入れをした社長さん、それを並べることに大忙し。私たちもね、そこで意見を言うべきか迷うほどに、お手伝いの仕方もまだ分からない二日目なんだから。

するとそのお客さん、ご自分の代金を払った後で、千円札を一枚差し出してくれました。「だからね、基金箱、作りなさいよねぇ~」と、声を荒げての催促です。慌てて、そばにあった籠をそこに置いた私たちだったけど、というのも、「売り上げの一割は、募金として、赤十字に送ります」と書いたビラも貼ってあったんだから。それ以上に、何かをしたいと願うお客様で、その日の募金はかなりの額に上ったはず。

ところで、3回目、お手伝いのメンバーが、一人は庭の草花を鉢に植えて、もう一人は、自分で育てた胡麻、トウガラシ、手作りの切干大根の袋詰めを持ち込んで、売上はすべて、募金にするとの申し出もある。さて、これってね、誰に云われたことでもないんです、自主的なやさしい心がなければできないよ。ただし、どことなく、PR不足になりがちなのは、日本人の悪い癖かもしれないなぁ。いいことをするときに、奥ゆかしさは要らないかも~^。だってね、目立つ所に置いた方がいいと言っても、さほどその気にもならないんだもの。

私だったら、たとえば、家の掃除をするときでも、後でそれとわかるようにやる癖がある。それほどに何かをするときに、後にその成果を自分で確認したいんだわ。もちろん、自分だけではない、その場の人にも喜ばれたい。だからね、いい品を売る時には、ちゃんとPRしようじゃないの。私たちは素人だけど、この野菜には自信があると言えるでしょ?募金一つでも、自信を持ってやりましょう。喜ぶ人が必ずいるはずなのだから。、

 


アンテナショップというもの [新しい農業]

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私たちがこの「野菜屋コロット」を応援する理由の一つに、市内の農家さんのアンテナショップとして、この「野菜屋コロット」になってもらいたいという思いがありました。だから、それぞれ関係してくれた農家さんの紹介を書いたり、大きな顔写真を作ったり、お互いに協力してきたのだけど、それが少しずつ実りだしていることをお伝えしたいと思います。それがね、若い後継者たちがつながるのを見るって、本当にうれしいものだと言いたいから。

峯岸さんが始めたこのお店に、初日からやってきてくれた若い農家さんがおりました、こちらは、中さんという、やはり、私たちが以前お邪魔してお父さんから、農業への真摯でなおかつ努力のたまものとなっている農業への姿勢をみせていただいて以来のお知り合い。その息子さんがこの野菜屋コロットの活動にいたく興味を持ってくれたのです。その気持ちの底に、地元の野菜を地元で食べてもらいたい。直販ならではの価格の安定を図りたいなど、新しい農業への意欲があればこその気持ちだと、私は彼の訪問をすごくうれしく思いました。

さて、もちろん、峯岸青年も飛び上がらんばかりに喜んで、二人が店先で話をするのを見ている私としては、これでまずまず、アンテナショップの役目も始まったなぁと思う。彼ら二人のまわりに、なんと、その時のお客様たちも集まって、あれは、これはと、野菜の話で持ちきりです。消費者が生産者と親しく話せる関係なんて、もしも、そこに私たち、間を取り持つ消費者がいなければ、近寄りがたい存在のままでおわってしまったかもしれないもの。その点、気さくな私たちって、貴重かもね?

さて、何故、アンテナショップが必要かって?それはもう、いつの日にか、これらの農家さんが集まって、地元のどこかに、「アグリパーク」を作りたいからだよ。農業では生活ができないからと、農家離れが続くけど、やりがいを見いだせない一つは、自分で価格が決められない仕組み。お客様との交流が持てない仕組み、仕事がハードすぎる仕組みなどなど、それを少しでもクリアするのが、この直販所ではないだろうか。案の定、再度、中さんがやってきました。たぶんね、お客さんとの交流が楽しかったのかもしれないなぁ。しかも、さらに紹介してほしい農家さんがいるんだそうな、これって、すごいことだよね。


売上と売れ残り [新しい農業]

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誰でもそうでしょうが、自分で現金を払って購入する場合、損になることはしたくはない。だけど、ここで、「損して元取れ」という言葉もあると私は言いたい。いやそれも自分に関係ないから言えるのかな?ともあれ、手伝いに来たメンバーはだれもが、心の底で、大丈夫かなぁと、若い社長の懐を心配する。これもまた、支援者ならではの思いやりかな?

で、オープンの日、彼が言いました。毎回、売上だけでもご報告いたしますね、と。まぁ、売れ残りが多ければ、赤字?と思えと言うことか?初日、皆目分からなかった彼は、品数を大目にはしなかった。それがあっという間に完売となり、2回目、その1,5倍ほどの品数を入れ、これもほぼ完売。三回目、なぜには客数は増えず、これはおそらく赤字。4回目、大安売りだと言って、保存食煮とさつま芋が一個50円。道端の草むしりをしていたボランティアの若い女性グループ、皆が来店して、それぞれに買ったりして、、まずますの売れ行きなれど、これも完売に至らず。

こんな時に、いつも手伝いの私たちったら、待ってましたと、希望の野菜を次々と購入。これはたぶん、さほどの無理はなく、本当にほしいものを買っているのだと思うけど、このときのオーナーの喜びの顔はまた嬉し。中には、自分で作るからとか、奥さんに頼まれているからなぁとも。ともかく、ほどほどの残り物をトラックに積んで、本日のお店は閉店となる。

ところで、次回、必ずオーナーさんが言うんです。「あの残りはですね、自分の家の前での即売会で、全部売れてしまいました。大丈夫、売れ残りはないんです」って。へぇぇ、あの後、またお店をしたのかって、私はやはり、仕事の厳しさを知らされる。でも、新鮮野菜を格安で、ちゃんと決められた曜日、決められた時間で求めることができるとしたら?それは、今はどこでも売りに来る石油屋さんとおんなじみたい。あれってね、決して負担にはならないのです、だって、便利だものね、この石油不足の時に。普段手に入らない人には、すごく有難いことなのよね。


お手伝い・あれこれ [新しい農業]

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「古民家付き貸農園」は、現在たったひとりの社員・兼社長です。以前から私はこのオーナーとの連絡係をやっていることもあって、余りの忙しさに、何度もこんな言葉をかけてしまいました。「あのねぇ、一人では大変だから、事務係でも雇えるといいね」と。だが、彼は頑としてこれを拒む。「いいんです、できるだけ、一人でやってみたいんです」と。かくして、この野菜屋コロットの開店の時だけでもと、お願いは恐る恐るだったかな?けど、私は大昔、自分の手作り品をお店で売ったりした経験もあるし、お店大好き~^。だから、「大丈夫、私はお手伝い、いつでも行くよ」と返事をしたっけ。

かくして、開店の日、9時に集合のお店前で、仲間は合計2名。これだけいれば大丈夫でしょう。何しろみんないそがしいから、都合付く人は少ないのだよ。到着した野菜をテーブルに並べ、農家さんたちの顔写真を並べ、レジは?値札はと初めてのお店作りも無事、30分前に終わりました。さて、この結果、うん~~、なんとかなりそう。玄関外に立て懸ける旗も男性メンバーがしっかり結び付けてくれたしな。

それから合計3回のお店開きがありました。週2回の開店に、都合付くメンバーが参加する形を取ったわけだから、多い時には、5名にもなる?オープンしてからは、お茶飲みしたり、おしゃべりしたり、店番したり、足元危ないお客さんに手を貸したり、ビニール袋へ入れてあげたり。あるいは、店の外での呼び込みも?あるいは、近隣を回ってのポスティングも。そしてもちろん、終わってからのお掃除も。それぞれが、自分のできることで、しっかり手伝うこの姿勢に、私は無類の喜びを感じる。ともかく、いい人ばっかりのお手伝いは気持ちがいい。

時はすでに、あの東北関東大震災の後になる今、安心でおいしい野菜を求めるお客は少なくはない。あるいは、私のように、被災地へ野菜を送る人もありや?スーパーは混んでるからいやだなぁとか、さらには、有機栽培なのに、安いねぇと、わずかながらの顧客も増えてきた模様。その都度、丁寧な説明が始まります。「あのですね、JAを通さない分、こちらは安くできるんです」って、店長の説明もずいぶん、上手になりました。だって、おしゃべり上手な私たち主婦の口上が結構一番いいお手伝いになってたかも?(笑)。


生産者と消費者の協働体制? [新しい農業]

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もしも、これが、道の駅のような直販所の始まりになるかもしれない、そんな思いは、このささやかなれども、農家さんたちの協働体制ができつつあることが見えるからです。今回の野菜屋コロットから支援団体の私たちに一つの依頼がありました。「関谷農園だけではお店を開くには品数が足りない。どうぞ、推薦できるお店を紹介してください」と。あのときも、私たちはしばし頭を抱えました。日頃農ボラなどで親しくしている農家さんに迷惑はかからないだろうかという危惧があったからです。

その迷惑たるや、たとえば、こちらの農家ばかり、注文があったりして?自分のところには、さほどの依頼が来ない~^なんて?それはね、たぶん、農家さん自身の方が現状をよくわかっておられて、この直販の難しさにさほどの期待はしないだろうとも。そんな意見が飛び交う中で、でも10軒ほどの農家さんをお伝えすることができた結果、今、野菜屋コロットは、20種類以上の新鮮野菜や加工品などを販売できるようになりました。

それにしても農家さんにはすべて、その特徴があるものです。中には、水菜だけを栽培する農家さん、加工品まで加えて、実に多彩な野菜、果物を栽培する農家さん、あるいは、市内でいち早く無農薬のお茶を栽培し、ギャバが含まれた紅茶が特にお勧めのお茶屋さん、あるいは、都内のレストランで特に喜ばれる、金賞まで獲得したという甘いホウレンソウに自信がある農家さんなどなど、彼らの自信作を上手にお店に並べる技は、かなり難しいことかもしれない。けど、特に端境期の今は、すべての農家さんが協力を惜しむことなく、力を合わせて出来上がったお店です。中には、まだ、季節が来ないと言って、お取引ができない農家さんもおられるけど、季節が相手、自然との闘いの農業だもの、しっかり理解してもらえそう。

前日に、電話で野菜の注文をし、翌朝、その引き取りに行くそうですが、峯岸さん曰く、「開店時間に間に合うように、何度も同じルートを走ってみました。うん、大丈夫。これで9時には買い出しを終えて、店に戻ってきますから、最初だけでも、お手伝いをおねがいしたい」って。そうそう、農家さんが協働体制作りつつある今だもの、私たち消費者もちゃんと協力しようではないの?だって、決して無駄なことをしてるのとは違うのだから。では、お次は私たちのお手伝いの様子を。


買い物難民の場所? [新しい農業]

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・・・と言うと、とても寂しい感じがするけど、このマンション群はいまから30年ほど前に市内でも高級マンションとして登場しました。何が高級かと言えば、自然あふれる狭山丘陵を切り開いた結果、道端にはお店が一軒もない、本当に静かな緑あふれる、でも、坂ばかりが続くマンション群となったのです。当時は、マンションにエレベーターが付く時代ではなかったのか、残念ながらこのマンションにエレベーターはありません。そして、高齢化が進んだ今、住民は毎日の買い物が最大の問題となってきていたのです。

日頃、関谷農園の販売を担当していた峯岸青年は、「ジャガイモを買ってくれるレストランはないだろうか」とか、「どこかの幼稚園での販売はできないか」とか、あるいは、「公民館でもいいし」などなど、アタックする気持ちはあれども、JAを通すこともない彼にそのチャンスは少なかった。それこそ、私が紹介した我が家極近の小さなスーパーぐらいかな?業を煮やした彼?ついに行動です。それがもしや、買い物難民と言う現実に気付いたからかもしれません。アタックした結果、予想を上回る歓迎ぶりで、このプレゼンはほぼ3カ月でまとまったのです。

しかし、これは運がよかったと言うべきでしょう。だって、ちょうどJAが市の農政課の世話で、市内で同じような買い物が難しい場所での販売を始めたと同時だったからです。でも、あちらは週1回、露天での販売に対して、彼はきちんと自治会を通し、その自治会が日頃利用するコミュニティ会館での販売ですから、週2回でも少ないそうな。しかも、使用料なしで、テーブルも椅子もお貸しいただく。提供してくれる農家さんを一緒に回ったり、宅配するお宅に同行してみたりと。その報告を聞くたびに、私もまた、これが実現するかもしてない喜びを隠せなかった。

それはね、つまり~^そこには、自治会と管理組合との両方の熱い思いが込められていたのです。さて、その熱い思いとは?オープンしてからというもの、毎回、ホールではお茶飲みが始まるのです。そして、彼らはいつもこんなことを言う。「よかったです~^。こんなに人が集まったことがない。このホールに人が集まることを願っていた」と。さほどに、お客さんと私たちとこの役員さんたち、すっかり仲良くなりました。さぁ、これからが本当の連携ではないかしら?消費者と生産の・・ですよね。誠実に販売を進める野菜屋コロットのオーナーに、私たちが夢を託す場所をもらっているのかもしれません。


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